ヤミ金融や詐欺グループといえば都内にあるマンションの一室にアジトを構え、表舞台に出ることなく巧妙な手口で荒稼ぎしています。

今から10年ほど前にはまだ一般的なサラリーマンとは異なる派手なスーツを着たいかにも金融業者が銀行のATMに頻繁に出入りしていましたが、最近はそんな光景も見ることがなくなったのではないでしょうか。

当時と比較すると法改正が行われ架空名義の銀行口座も即座に凍結されるようになり、違法な貸金業者が儲けられる時代ではなくなってしまったのでしょう。

そんなヤミ金融がはびこっていた時代から現在でも続いているのがカードでお金の看板で宣伝している店舗型のクレジットカードのショッピング枠現金化です。

今ではクレジットカード現金化商法はクレジットカードを悪用した事実上の高金利融資としてヤミ金融と同じような存在と解釈されています。

ヤミ金融業者は多重債務者を相手に法定利息を大幅に超える高金利で金銭の貸付を行っており時々、逮捕されるニュースを見かけることはありますが、なぜカードでお金の店舗やヤミ金融業者として摘発されることはなく堂々と営業することができるのでしょうか?

無店舗のカード現金化業者が逮捕される理由

現金化業者 逮捕

 

「クレジットカードのショッピング枠現金化」のイメージとしては

  • 多重債務者を食い物にするヤミ金融
  • 価値のないものをクレジットカードで買い現金が振り込まれる
  • 現金化を利用すれば結局、債務が増えることになる
  • ブラックリストでもお金を貸してくれる
  • クレジットカードが利用停止になる
  • 現金化業者はヤミ金融

といったような非常にネガティブな印象があるビジネスといえるでしょう。

確かに2011年にクレジットカード現金化の業者が摘発されたことによって、クレジットカードのショッピング枠を現金化すること自体が犯罪のような印象となっています。

現在までクレジットカード現金化を商売としていたいくつかの業者が逮捕されましたが、その大半は店舗を持たないインターネットで取引を行う現金化業者でした。

ではなぜ無店舗型の現金化業者は逮捕されるのでしょうか?
オンラインで取引するクレジットカード現金化はキャッシュバック特典付商品の販売や商品の買取・販売を装った方法となり、本来の目的となるショッピング枠を現金化している点だけを実質的な融資とみなされ違法行為として摘発されているのです。

クレジットカード現金化は必ずどこかでショッピング枠で買い物をしなければなりません。

無店舗のクレジットカード現金化は業者がカード決済で商品を販売しているECサイトを運営しており、そのECサイトでクレジットカード決済し商品を購入することになります。

そしてお金を送金する名目として

などを理由に現金を振り込んでいるのです。

結局のところ現金化業者でクレジットカード決済を行いお金を振り込むという行為はどのような理由にせよ、現金を貸し付けクレジットカード決済によって返済させる貸金業と判断されることになります。

カードでお金の店舗が法律に違反しない理由

カードでお金は合法

オンラインで完結できるキャッシュバック方式などのクレジットカード現金化は2009年頃から登場し始めた比較的新しいネットビジネスですが、カードでお金の看板の現金化業者は30年以上前から続く商売となります。

インターネット型のクレジットカード現金化は2010年から施行された総量規制の影響を受けた消費者金融から借り入れが困難になった債務者がお金を工面することができる唯一の方法として脚光を浴びましたが、その後社会問題化し違法行為となりました。

ところが同じクレジットカードのショッピング枠をお金にする店舗型の現金化業者は「カード現金化は違法」とされる現在でも堂々と営業を続けています。

このインターネットでの現金化と店舗での現金化の違いはといいますと、それは現金化するための方法が大きく異なっているのです。

  1. カードでお金の店舗での現金化方法は
  2. カードでお金の看板に書かれた電話番号に連絡する
  3. 店舗に来店し本人確認などの手続きを行う
  4. 業者に指定された商品を購入しに行く
  5. 購入した商品を店頭で買い取り現金化される

といったような流れでクレジットカードのショッピング枠が現金化されます。

インターネットでの現金化方法の場合、クレジットカード情報を提示することによってオンラインでの決済となりますが、店舗での現金化では実際にある正規のお店で買い物をすることになるのです。

オンライン決済と比較すると店舗での現金化は手間や時間がかかりますが、クレジットカード情報が漏洩する恐れはなく正規のお店ですので決済の面では安心できるといえるでしょう。

確かに安全面では店舗でのクレジットカード現金化の方が優れているといえますが、では法律的な部分ではどうなのでしょうか?

実はカードでお金の店舗は古物商の営業許可のある金券買取ショップのような営業スタイルなのです。

つまり金券類の買取を業務としており、野球観戦やコンサートのチケットを売買している街の金券ショップがカードでお金の正体となります。

当然ながら金券ショップが新幹線の回数券の買取をしても法律に違反することはありません。

したがって違法とされるクレジットカード現金化をカードでお金の店舗では堂々と営業していても警察にとめられることはないのです。

店舗でのクレジットカード現金化が逮捕された事例

カードでお金逮捕

店舗営業しているクレジットカードのショッピング枠現金化はクレジットカードで購入した商品の買い取ることによって現金化しているため違法性はありません。

そのためこれまで商品買取によるショッピング枠現金化は合法とされていましたが、2016年に東京上野の雑居ビルで「阿吽の呼吸でクレジットカードを現金化」の看板を立て営業していた現金化業者が逮捕されました。

この逮捕された「ギフトショップ天商」はJR上野駅からすぐにあるアメ横のセンタービル内に店舗を構え10年以上現金化を行っていたにも関わらず摘発に至ったのです。

ではなぜ商品買取による現金化方法でも出資法違反になってしまったのかといいますと、

  1. 天商では自社ブランド品を販売
  2. クレジットカード決済は店舗内で行われる
  3. 商品購入後、商品を買い取ることによって現金化

といった流れでクレジットカード現金化を行っていたのです。

確かにブランド品の買取という点では一般的なカードお金の現金化方法と違いはありません。

では何が異なるのかといいますと、自社ブランドを販売しクレジットカード決済を行っていた点です。

 

天商では自社で販売した商品を買い取ることによって現金化しており、たとえ売買取引が行われていたとしても商品の売買を装っていたことと同じと判断されました。

これはパチンコの特殊景品を換金するための三点方式と同じ方法であり、天商の場合はパチンコ店が景品交換所を経営していたことといえるでしょう。

パチンコ店が特殊景品を換金すれば賭博罪にあたるのと同じように、天商は商品の売買取引を偽装しましたが貸金業法違反として逮捕されたのです。

キャッシュバックによる現金化方法もそうですが、結局のところ正規の売買取引ではない限りクレジットカード現金化は貸金業として解釈されることになります。

したがって現在ある新幹線の回数券を換金するカードでお金の現金化は今後もなくなることはないでしょう。