街中で見かける「カードでお金」と書かれた看板のクレジットカード現金化は今もなお続いています。

この現金化の店舗では業者から指定される商品をクレジットカードで購入し買い取るという古典的なショッピング枠現金化といえるでしょう。

一般的な印象としてはクレジットカード現金化は実際に手にする現金よりも多くの支払いが請求されるため、実質的な高金利での融資として解釈されることもあります。

しかしながらカードでお金の現金化業者は逃げも隠れもせず、堂々と店舗で営業しているのです。

つまり店舗営業している業者は法律に違反していないといえるでしょう。

 

つい先日、フリマサイト最大手のメルカリで現金が販売されていることが話題となりました。

しかも販売されている現金よりも高い価格で販売されているのです。

たとえば現金3万円の販売価格が税込み39,000円といったように、販売されている現金よりも3割程度高い価格で売られています。

これには多くの方が違和感を覚えるのではないでしょうか。

39,000円を支払い現金3万円を買えば単純に9,000円損をすることになります。

つまりお金を捨てるようなものです。

このメルカリで出品されている現金というのは現金で購入するものではなく、クレジットカードのショッピング枠現金化のために売られていました

現在ではメルカリ運営会社によって現金の出品は削除され、禁止されましたがこのメルカリを利用する現金化が相次いで起きているのです。

ではこのメルカリで商品を販売するクレジットカード現金化について検証していきます。

メルカリに出品される不可解な商品の正体

suica現金化

フリマサイトメルカリで現金が販売されるワケ

「かんたんに売り買いができて、あんしん・あんぜんなお取引ができる」フリマサイトのメルカリは4000万ダウンロードとなる人気急上昇中のスマホアプリです。

メルカリは数あるフリマアプリのなかでも、最も利用者数が多く出品されている商品の数も相当な量となっています。

そんなメルカリで出品される様々な商品の中に常識では考えられない「現金」が販売されていたのです。

しかも出品されている現金よりも高い金額で売られています。

これが問題の発端となったメルカリでの現金販売なのですがこの目的はといいますと、現金で現金を購入すればただ損をするだけですが、

  • クレジットカード決済
  • 携帯電話のキャリア決済

で現金を購入することによってショッピング枠を現金化することができるのです。

この現金販売がクレジットカード現金化やマネーロンダリングとして出品が禁止されました。

メルカリ側の主張としては「旧紙幣や貨幣をコレクションとしての売買を希望する声がありました。それに応えるべく現金の売買を認めています」

とのことでしたがその結果、クレジットカードのショッピング枠現金化の市場となってしまったため禁止に至ったのです。

チャージ済みのsuicaによる現金化

メルカリで現金の出品が禁止された直後、今度はお金ではなくお金として使用できる交通系電子マネーsuicaが出品されるようになりました。

suicaはJRの駅にある券売機で簡単に購入することができます。

現金出品での争点はコレクション性のある旧紙幣などであれば問題ないが現行紙幣はクレジットカード現金化やマネーロンダリングと判断される点にありました。

つまり現行紙幣はモノではなくお金だから禁止されたということになります。

この「モノとお金の違い」という観点からすればsuicaはお金ではなくモノです。

フリマアプリは個人間でモノを売買するためにあります。

そのためsuicaは問題のない商品のように思えますが、実はこのsuicaにもカラクリがありました。

確かにsuicaはモノですが電子マネーとしてお金をチャージすることができるのです。

そしてチャージ残高から220円の手数料を支払うことによって現金化することも可能となります。

したがって現金がチャージされたsuicaは限りなく現金に近い商品といえるでしょう。

suicaも現金同様、すぐに出品禁止商品の対象となり姿を消すこととなりました。

パチンコの特殊景品までもが出品される

このメルカリによるクレジットカード現金化はsuicaで終わることはありませんでした。

正直、何が良くて何がダメなのかわからない状況といえるでしょう。

現金もダメ、suicaもダメ、そして次にメルカリでお小遣いを稼ぎたい人が考えたのがパチンコの特殊景品です。

 

パチンコでは一般的には身近なギャンブルという印象がありますが、法律的にはゲームセンターなどと同じ娯楽施設でしかありません。

法律に違反する賭博と娯楽の境目というのは現金による見返りがあるかないかの差です。

公営ギャンブルとなる競馬や競艇は当たれば数倍の現金となる可能性があります。

その点、パチンコは出玉を現金と交換することはできません。

ただどこのパチンコ店でも出玉を特殊景品と交換することができ、パチンコ店の周辺には特殊景品を現金と換えることができる換金所がありそこで現金化することができるのです。

そのためパチンコは賭博には当たらず、娯楽施設として営業しています。

パチンコ屋に行く方はご存知かと思いますが、特殊景品は現金と変わらない価値があります。

特殊景品の中身は実際に価値のある「金」が使用されており、フリマサイトに出品されていても特に問題がないようにも思えるのではないでしょうか?

しかし特殊景品がメルカリに出品されるタイミングはそのほかの現金化目的の商品が禁止になったあとです。

そのため特殊景品もすぐに出品禁止商品の対象となりました。

メルカリを利用するクレジット現金化の問題点

メルカリでのクレジットカード現金化

「現金をお金で売買する」という行為に違和感を抱く方は少なくないでしょう。

しかも売買される金額は商品となる現金よりも多い金額となります。

メルカリでは現金の販売をマネーロンダリングとなる行為として禁止しました。

しかしながら現金を出品している目的というのはクレジットカードや携帯決済を現金化するためにあります。

では現金の売買は法律に違反しているかといいますと、そんな法律はありません。

骨董屋に行けば高い価格で販売されているお金はいくつもあり問題なく売買されています。

さらにクレジットカード現金化は違法行為とされていますが、メルカリで出品される現金をクレジットカード決済で購入する行為には違法性はありません。

したがってメルカリでの現金化は法律に違反してはいないのですが、なぜ出品禁止されることになってしまったのでしょうか?

現金化では違法とされるキャッシュバック

キャッシュバックによる現金化

2011年頃、クレジットカードのショッピング枠現金化は最盛期を迎えていました。

当時のクレジットカード現金化の方法はWEBで完結することができるキャッシュバック特典付商品を購入する方法です。

ところがキャッシュバックによるクレジットカード現金化を行っていた業者が貸金業法違反などの罪で逮捕されたことによって「クレジットカード現金化はヤミ金融による高金利融資」となりました。

しかし実はクレジットカードのショッピング枠を現金化することもキャッシュバック付き商品を販売することも法律に違反する行為ではありません。

ではなぜキャッシュバックを行っていた現金化業者が逮捕されたのかといいますと、クレジットカード決済をさせ現金を送金しますが商品の配送を怠っていた落ち度があったのです。

つまり商品を配送していれば商品の売買取引が成立するため貸金業法に抵触することはありません。

メルカリの現金販売とキャッシュバックによる現金化の共通点

現金化の共通点

現金の売買やキャッシュバックによる現金還元といったクレジットカード現金化方法にはある共通点がありました。

どちらの現金化方法も法律的な解釈では違法行為とはいえないでしょう。

しかしながら問題のある商品の売買取引という共通点があるのです。

メルカリでの現金出品

メルカリでの現金販売ではコレクション的な価値のある旧紙幣ではなく、現行の紙幣が出品されています。

珍しい通貨が高い価格で取引されるのは常識的なことですが、どこでも入手可能な現行紙幣を額面よりも高い価格で取引する行為は一般的な売買取引ではありません。

したがって通常の売買ではないため本来の目的とは異なる何らかの目的のある取引となるのです。

キャッシュバック付き商品の販売

キャッシュバックによるクレジットカード現金化では、現金化業者から指定される商品をネットショップで購入する手続きとなります。

ネットショッピングでクレジットカードで買い物をすることはよくあることですが、キャッシュバックによる現金化では通常とは異なる特徴があるのです。

実際に過去にキャッシュバックによる現金化で使用されていた商品は

  • パワーストーンと称した数珠
  • 画像素材の入ったCD-R
  • おもちゃの指輪

といったようなほとんど価値がないに等しい商品となるのです。

このような無価値の商品を数十万円という高額決済での購入となる点はたとえ法律に違反していなくても正当な売買取引として捉えることは難しいでしょう。

法律に違反しなくても不可解な取引となる現金化は危険

不当な取引となる現金化

現在ではメルカリで現行紙幣の出品は禁止され、クレジットカード現金化でもキャッシュバック方式のところはほとんどなくなりました。

どちらの現金化方法もグレーゾーンではありますがブラックではありません。

ではなぜこのようなクレジットカード現金化が継続していかないのかといいますと、正当な商品の売買取引とは異なるからです。

現行紙幣を高い価格で売買する行為も無価値の商品をクレジットカードで高額決済する方法も常識の範囲では考えられません。

そのため一時の現金化の方法としてはいいですが、継続的に行える方法ではないのです。

つまり現在でもキャッシュバックによる現金化は可能ですが、不審な決済を疑われるリスクを考えればそのほかの現金化方法を行ったほうが賢明ということになります。

確かに一世を風靡したキャッシュバックによるショッピング枠現金化のようにメルカリで現金を販売する現金化方法は画期的といえるでしょう。

ただ、売買取引が常識の範囲っを逸脱していることから姿を消すことになりました。

そうなりますと結局は正規の売買となる商品買取による現金化方法に原点回帰するしかないでしょう。