クレジットカードのショッピング枠現金化を行っている業者や闇金融と同じように貸金業法違反などの犯罪となります。
そのためクレジットカード現金化は闇金融の新たな手口とされているのです。
オンラインで手続きが可能なキャッシュバック方式のショッピング枠現金化は2010年に施行された総量規制の影響により脚光を浴びました。
その理由は消費者金融からの借り入れの上限が年収の3分の1までとなりその影響を受けないクレジットカードのショッピング枠を使用する現金化サービスが多くの方に受け入れられたのです。
これはもう過去のことになりますので記憶に残っている方は多くはないでしょう。
このクレジットカード現金化が利用されるようになった背景にはサービスを提供する現金化業者が存在しなければなりません。
- ではショッピング枠現金化の業者はそれまでどんな商売をしていたのでしょうか?
- 現金化業者の多くはそれまで違法な貸金業を営むヤミ金融が債権の焦げ付くことなく回収できるクレジットカードのショッピング枠現金化事業にシフトしていったのです。
つまりキャッシュバックによるクレジットカード現金化の先駆けは違法な高金利による貸金業を正規の商取引に装っていた方法だったことになります。
そしてこのクレジットカード現金化がヤミ金融による高金利融資だったことを裏付けるのが、これまで逮捕された現金化業者の実態です。
ではこの元ヤミ金融がクレジットカード現金化に移行し逮捕されるに至った一つの例を検証していきます。
ヤミ金融がクレジットカード現金化に転向
「ヤミ金融」というのは基本的に金融登録のない無許可で貸金業を営んでいる業者のことを指します。
しかしただ金融業としての許可がないだけではなく法律で定められている上限金利をはるかに超える高金利での融資となり出資法にも違反している犯罪者です。
ヤミ金融は無許可で高金利融資を行っているのですが、消費者に少額の融資を行う小口金融や事業主に小切手を担保に融資をするシステム金融などいくつかの種類があります。
これから検証していく現金化業者はそれまで法人を相手に高額の融資を行っていたヤミ金融業者です。
この法人向け融資の営業は名簿業者などから仕入れた法人の債務者情報を元に電話やFAXで勧誘する方法となります。
そして事業資金が必要な事業主に高金利での融資を行い暴利を奪っていくのです。
このヤミ金融業者がクレジットカード現金化に転向した理由はといいますと、総量規制の影響はヤミ金融の罰則がこれまでよりも重くなったからです。
当時はまだクレジットカード現金化は犯罪ではなくグレーの方法にとどまっていました。
さらにクレジットカード現金化は高金利での融資にもかかわらず、支払いの延滞や未払いとなっても現金化業者には決済代行会社から支払いは行われます。
そこに目をつけたヤミ金融業者の多くはクレジットカード現金化に移行していったのです。
クレジットカードのショッピング枠現金化での「成功」
当時、クレジットカード現金化の最盛期でもあり多くの現金化業者が多大な収益を上げていました。
その理由はヤミ金融が債務者にお金を貸す行為は返済されないリスクを伴います。
しかしクレジットカード現金化は債務者からお金を支払われるのではなく、クレジットカード決済をした入金となるからです。
したがって債務者が返済できなかった場合にはクレジットカード会社から返済の請求を迫られることになります。
それがたとえヤミ金融ほどの高い金利ではなかったとしてもリスクがないため確実に儲かるのです。
そしてこの元ヤミ金融の現金化業者は法人の債務者を相手に多くの利益を上げ、クレジットカード現金化で「成功」を遂げました。
運営する現金化サイトも次々に増やしていき複数の現金化業者を運営するグループとなったのです。
「成功」したクレジットカード現金化業者の顛末
「毎月300万円前後を遊興費などに使っていたようだ。3年間でざっと1億円超。所得隠しとして指摘された金額をほぼ遊びに使っていたことになる」
こんな豪遊の日々を送っていたとされるのは、10月に東京国税局から所得税法違反の罪で告発されたことが明らかになった東京都目黒区、物品販売業の福場秀樹氏(当時32)である。関係者によると、福場氏は平成20年までの3年間で約1億3千万円の所得を隠し、約4300万円の所得税を免れたとされる。
そしてこの現金化業者はこの脱税事件により有罪判決となったのです。
この頃はまだキャッシュバック特典としての現金化はまだ違法ではなく、逮捕された現金化業者はいませんでした。
後にキャッシュバックによる現金化業者が逮捕されはじめ、福場氏も同様に貸金業法違反及び出資法違反の容疑で摘発される顛末となったのです。
そしてこの福場氏がクレジットカードのショッピング枠現金化で得た収益の総額は約23億円。
これは現在でもクレジットカード現金化での最高の被害額とされています。
この事件は今から4年以上前の2012年の話です。
その頃と比較するとクレジットカード現金化業界の規模は縮小したのではないでしょうか。
しかしそれでもショッピング枠を現金化したい需要は絶えることなく今後も確実に続いていくことは間違いありません。